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090 『コトバノチカラ』 宋文洲 著

『コトバノチカラ』 宋文洲 著

『コトバノチカラ』
宋文洲 著
明治書院 発行
2006年6月 刊
1365円
ISBN4-625-68358-0
ジャンル ビジネス

◎北海道で学んだ宋文洲さんの、含蓄にみちたビジネス指南

 東証一部に上場したIT企業・ソフトブレーンのルーツは札幌である。
 会長の宋文洲氏は、中国東北大学(瀋陽=札幌市の姉妹都市)を卒業後、北海道大学に留学。サッポロバレーの生みの親の一人である青木由直教授の門下生として学んだ。卒業後は札幌で会社を立ち上げ、のちに東京へと拠点を移した。これが現在のソフトブレーンである。

 宋文洲氏は、中国人としての発想を生かし、日本人が気づかなかった日本のビジネスのあり方を革新するためのシステムを提案、開発することをビジネスに据え、東証一部上場まで成長した。宋氏、いや宋さん、と親しみをこめて呼ばせていただくが、彼にとって中国人であることはハンデではなく、チャンスであったといえる。
 本書は、『やっぱり変だよ日本の営業』などの著書で、日本のビジネスを斬った宋さんが、日頃親しんできた中国の故事成語や日本のことわざなどをビジネスの教訓に活かそうとしたもの。変化の多い時代だからこそ、自分の座標をもたねばならない。人類が長い時間をかけて認めてきたこれらの言葉は、変わることのない「本質」であり、ここから自分の座標を見つけることができる―と宋さんは言う。
 たとえば「馬鹿」という言葉。
 秦の時代の大臣、趙高が、臣下の忠誠心を試すために宮中に鹿を連れてきて「これは馬だ」と言い、「鹿」だと答えた官吏を捕らえて処刑したことから、「鹿を指して馬となす」に由来する。
 宋さんは、経営とビジネスにおいても、事実を曲げてしまったり、目の前の事実を認めないことが、一番愚かな行為=「馬鹿」だという。こうしたいと思う強さが、事実を認めることを妨げる。反省しなければならない自分に気づかされる。

 そのような言葉が約70。内容は平易だが、異国でのビジネスの現場を歩いた著者の知恵がつまっている。北海道で日本を学んだ宋さんの、含蓄にみちたビジネス指南である。

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