
地域のライフスタイルをテーマとした雑誌が、全国的に人気を呼んでいる。鎌倉や沖縄、東京など、従来の観光やタウン情報ではなく、移住や長期滞在や、その地域に密着した衣食住などをテーマとした、ライフスタイルを愉しむ雑誌である。
この「北海道生活」も、<今日から始まるプレーンな暮らし>というサブタイトルが示すとおり、北海道のライフスタイルをとりあげ、提案する雑誌となっている。編集部が30代女性中心というから、内容も30代女性向けの雰囲気がただよう。
北海道に暮らす我々自身が北海道の魅力に気づき、それを道外の人たちにも伝えていく、という意味で、このような雑誌が次々創刊されていくことはうれしい。
これまで、地域暮らしにまつわるイメージは、「田舎暮らし」や「新規就農」など、都市から農山村へ回帰するスタイルのものだった。都市が成長するとともに、そのメダルの表裏として、都市から自然への憧憬が生まれるのは当然で、H.ソローの『ウォールデン 森の生活』をバイブルに、どれだけ田舎を目指した者たちがいたことか。
しかし、誰もが「森の生活」をできるわけではない。
田舎暮らしのライフスタイルが、「快適な暮らし」を犠牲にしたものでは、辛い。
ここでもまた原理主義的、禁欲的なオルタナティブスタイルに対する、「軽やかな」アンチテーゼが生まれる。その代表が、サステナビリティ(主に環境持続可能性)と健康をキーワードとしたLOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability)だろう。
都市に住む30代を中心に広がる、環境と健康を大上段に語るのではなく、生活のなかで「プチ」実現していく軽やかさは、新しい世代特有のものである。
しかし軽やかさと、薄っぺらさは、全く違うものである。
都市に生きる軽やかなライフスタイルが、深さと厚さをもつことが、新しい地域(地方)のあり方を生んでいくのである。 |