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081 『司馬遼太郎と城を歩く』 司馬遼太郎 著

『司馬遼太郎と城を歩く』/司馬遼太郎 著

『司馬遼太郎と城を歩く』
司馬遼太郎 著
光文社 刊
2006年1月 発行
1800円+税
ISBN4-334-97494-5
ジャンル 歴史

◎司馬遼太郎を携えて城の旅へ

 旅に出るときには、司馬遼太郎を携えていく。
 たとえば『北のまほろば』を読みながら青森の縄文遺跡をめぐる。そして司馬との着眼点の違いを見つけて、少しうれしくなる。司馬は、木造町の駅頭の巨大な遮光器土偶を醜悪とみなしたが、私はそうは思わない。どこかユーモラスでもあり、どこか誇らしげでもあるその巨大なモニュメントは、縄文文化の陽性のおおらかさを感じさせ、楽しい。
 縄文とは本来、南風の文化なのである。

 その『北のまほろば』で司馬は、弘前城を訪ね、「この優美な近世城郭が僻すうの地の津軽に出現したこと自体、奇跡にちかい」と書いている。
 デビュー作ともいえる直木賞受賞作が『梟の城』であったり、城自体がモチーフになった代表作の『城塞』など、司馬の本には多くの城が登場する。
 本書は、北海道から沖縄まで、全国35の城と、その城について書かれた司馬の作品の一節をまとめたもの。日本の城を訪ねる旅に、司馬遼太郎を連れて行きたい。そう思う方にこの一冊は、絶好のガイドブックである。
 北海道からは五稜郭が、『燃えよ剣』とともに紹介される。日本初の西洋式城郭である五稜郭は、城というより「砦」である。箱館戦争の舞台となり、新選組・土方歳三が闘い、多くの物語につつまれた北海道を代表する城塞といえる。

 司馬は城が好きだったというが、見慣れていない北海道人にとって、城には常に違和感がある。開放的で中心がない北海道人のあり様と、城という歴史地理的中心線をもつ本州の各地域のあり様の違和感は、列島弧の多様性の面白さでもある。

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