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<93>きらん出版会 編・刊 『きらん 魅惑の室蘭・胆振ガイド』
『きらん 魅惑の室蘭・胆振ガイド』きらん出版会 編・刊

『きらん 魅惑の室蘭・胆振ガイド』
きらん出版会 編・刊
 2002年4月発行
本体 800円

 
◎室蘭の「へーっ」が満載―市民の手による町の再発見。

 地域には、深い物語が眠っている。
 ふだんは表面に出てくることはないが、その地域に生きる人々にとっては、誰もが知っていることだったりする。みんな当たり前に思っているから、それがその地域特有の価値であることに気づかないことが多い。しかし、外の人間にとっては、どうしようもなく面白い、その地域の資源なのである。

 そんな地域に埋もれたコンテンツを掘り出すことは、大切な仕事である。
 コンテンツを掘り出し、目に見えるかたちにすることで、地域の人々がその価値に気づき、地域に誇りが生まれる。
 「きらん―魅惑の室蘭・胆振ガイド」と題された本書は、まさにそのような室蘭の市民が、自分たちの手で掘り起こした地域の価値が集められた一冊である。
 ・豚肉のヤキトリ
 ・ムイ〈オオバンヒラザ貝〉の伝説
 ・北海道一の銭湯王国
 ・どこにでもあるカレーラーメン
など室蘭の「へーっ」が満載。この本で初めて知った室蘭がたくさんある。
 かつて室蘭の中央町地区のアーケードを訪れた椎名誠が「ゴーストタウン」と評し、物議をかもしたことは記憶に新しい。「まあ、そのとおりだよな」「やせ我慢かもしれないが、違うぞ、と言わないと」と、地元の人たちがその「核心をついた一言」に奮起し、さまざまな町おこしが始まった。
 この本の出版も、たぶんそんな町を元気にしたいという思いのひとつなのだろう。

 この本には、まちの魅力を外に発信することで、にぎわいを取りもどせないか、という目的だけでなく、地域の人々に室蘭というまちの素顔が見えるように、という目的がある。たぶん外部への発信だけなら、この本はそれほど魅力的にはならなかっただろう。地域の人々の、自分の町を再発見しよう、という思いが、この本を無性に面白いものにしているのである。



本の注文は、道内主要書店、または、きらん出版会〈〒050-0082 北海道室蘭市寿町2丁目3-1 株式会社日光印刷内 TEL 0143-47-8308〉へ

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100 佐藤正午 著
『象を洗う』
099 永倉新八 著
『新撰組顛末記』
098 村上 龍 著
『希望の国のエクソダス』
097 石川啄木 著
『啄木歌集』
096 小林英樹 著
『色彩浴』
095 三國清三 著
『料理の哲学』
094 斉藤征義 著
『宇宙船売却』
093 きらん出版会 編・刊
『きらん 魅惑の室蘭・胆振ガイド』
092 井内佳津恵 著
『田上義也と札幌モダニズム』
091 村上春樹 著
『羊をめぐる冒険』上・下
090 『faura』
089 新穂栄蔵 著
『ストーブ博物館』
088 司馬遼太郎 著
『街道をゆく38 オホーツク街道』
087 『北海道かるた 方言編』
086 池澤夏樹 著
『静かな大地』
085 小檜山博 著
『出刃』
084 大崎善生 著
『聖の青春』
083 『女性史研究ほっかいどう』
082 松原 仁 著
『鉄腕アトムは実現できるか?』
081 沢木耕太郎 著
『沢木耕太郎ノンフィクション4 オン・ザ・ボーダー』

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