HOME > 連載【となりの北海道人】『私のお父さん』第18回

連載【となりの北海道人】『私のお父さん』

第18回

*話すこともあまりなく、聞くことも少ないお父さんの話。でも、お父さんにまつわる話はおもしろいんです。

■109『お父さんは子どものような人』

清永章子さん(38)=主婦、小樽市出身、長崎県対馬市在住

 ―対馬といえば最近、ツシマヤマネコが話題になりましたね。 
 夫がツシマヤマネコの担当をしてるんですよ。設置したセンサー付きカメラに写って、対馬島の南部では23年ぶりに生息が確認されたようです。
 ―北海道から随分離れたところに嫁ぎましたね。
 夫とは旅先のインドで知り合ったんです。一緒に旅をすることになり、ついには結婚まで。その人がたまたま長崎の人だったんです。
 ―長崎県に行くことについてご両親は?
 私が結婚するとは思っていなかったので、驚いたけれど喜んでくれました。お父さんは「俺にも孫ができるんだ。まごまごしちゃうなー」と(笑)。でも年に一度のご対面なので、今になって親不孝なことをしたな、と思っています。
 ―お孫さんとお父さんの関係は?
 狂ったようにかわいがってます。子ども好きだし子どもにも好かれます。サンショウウオを秘密の場所で飼ったり、内緒でラーメンを食べたり……。自分が子どもだから気持ちがよくわかるんですよ。

(杉本真沙彌)

■110『イチ押しは、お父さんの煮物』

太田陽子さん(34)=保育士、札幌市出身、札幌市在住

 ―通信教育で学んで保育士の資格を取り、今年からお勤めだそうで。
 パートで夕方3時ぐらいから4時間ほど勤務しています。心理学をもっと深く勉強したくて、一方で学生もしてるんです。
 ―大学を卒業し、勤務し、結婚した後も勉強を続けているんですね。
 朝とか夜、ちょっとした時間があればテキストを開く生活をずっと続けてきたので、それがなくなると、物足りない感じがして……。実家の父も「ドンドンやりなさい」と言ってくれ、意外と頭やわらかいんだなって思いました。
 ―お父さんはお堅い方なのですか。
 公務員として勤め上げた“堅気の人”で、私の路線はそれと随分、違うんです。でも、見守って応援してくれ、ありがたいなって思います。母が亡くなっていることもあって、退職後、男の料理教室に通い、今では煮物を作って持って来てくれるほど腕を上げました(笑)。夫の両親が来札すると、父はしゃべりどおしで、一生懸命場を盛り上げようとする姿は、結構感動的です。

(道産ヨネ)

■111『身長超えるまではおっかなかった』

大内正一さん(25)=システムエンジニア、札幌市出身、北広島市在住

 ―現在、システムエンジニアをなさってるんですね。
 はい、勉強中です。もともとパソコンをいじるのが好きで、理系の大学に進もうと思いましたが、理科がとにかく苦手で、結局商学部に入ったんです。卒業してから営業の仕事をしましたが、やっぱり自分の好きなことを仕事にしたくて……。職業訓練を受けた後、今年3月から今の会社で働いています。まだ勉強中ですが好きなことなので楽しいんです。
 ―お父さんとは普段どのように?
普段は無口で、よく小説を読んでます。時代劇を小さな頃から見せられていたせいか、自分も父さんと同じで時代小説をよく読みます。お互いに自分の読んだ本を貸し借りしています。
 ―お父さんはどんな存在ですか。
 小さい頃はおっかなかったですね。よくゲンコツされてましたから。でも高校くらいですか、自分の身長が父さんを超えてからは怖くなくなりました。父さんも最近は自分に何も言いません。悪いことをしてないからかな。

(杉本真沙彌)

■112『母の介護の場面で、父を見直しました』

田中敏恵さん(50)=ホームヘルパー、札幌市出身、札幌市在住

 ―お母さんの介護がきっかけで、ホームヘルプに関心を持ったとか。
 9年前、母が脳梗塞で倒れ、介護に直面したとき、これは勉強が必要だと、ホームヘルパーの講習を受けたんです。子どもが小さかったので、思うような介護はできませんでしたが、少なからず役立ちました。当時、両親は二人暮らしで、父が介護し、何かあれば私が飛んで行くという状態でした。父はもともと優しい人ですけど、介護の場面で真の優しさが発揮されたように思います。
 ―素敵なご夫婦ですね。
 二人でクリーニング業を営んでいて、あ・うんの呼吸で仕事をしていました。仕事一筋、真面目一方の父に対して、母は男勝りで社交的。店を広げるか、子どもの教育を優先するか悩んだとき、二人で話し合って、子どもの教育を選んだそうです。私なら、多分、そこまでできない。そういった面でも、両親にはよい勉強をさせてもらいました。去年、母が亡くなり、父を励ます方法をいろいろ考えますが、私たち子どもや孫が元気に暮らしているのが、一番の励ましになるのかなとも思います。

(道産ヨネ)

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