『たましいみたされみたし作戦』

『たましいみたされみたし作戦』

vol.13

2011.04

『たましいみたされみたし作戦』

とろんの「右巻きアートエッセイ」 プロフィール

NEW MOON VILLAGE 風景5(祭壇ガネーシャ像 BY  住人ジェアップ。象の形をした幸運の神様。インドのほか、ネパール、タイでも祭られていて、破壊と創造の神シヴァと妻パルバティーの子)

 このヒマラヤの町ポカラ(ネパール)のフェア湖を背景にして、目の前を群れを成して歩み行く大小の水牛たち。彼らは、日本の大震災のこと、放射能が東京などに向けて拡散していること、ボクの今朝の鬱々とした気分のこと等どこ吹く風で、自分のイノチを一日一日まっとうしてゆくだけでシアワセな日々なのだろうか???
 そんな風景の中、(たまたま必然)3月11日の東北大震災以降、このぽかぽかのポカラの空気が一気に変わった。日本人と見れば、ホントに心配して悲しそうな同情の言葉をかけてくるし、メール屋にいけば、日本のともだちからの生の放射能情報が続々と入ってくるし、逃げ場所のない被災者のために岡山をOPEN SPACEにしよう!!! と本気で呼びかけてくる人もいる。外国のともだちからは「イツデモ、キミタチヲ、ウケイレルカラ」と、やはりSPACEの提供を申し出てくれたりする。この大変なタイミングに心をOPENし、場や時をもOPENしようとするイノチの連鎖反応が、ボクの浮遊する魂を揺り動かす。
 6年前、三度目の正直で再再婚して初の子どもが4歳になり、次は女の子がいいな♪ などと二人目の子どもが6月に誕生してくる中、いまだに、ボクの魂が揺れ動いていることに驚き戸惑っている。ここ桃源郷ポカラでは、知り合いの日本人女性が、3月11日の大震災の日から「発狂」し、きょうの満月で10日目。その彼女の「発狂引力」に巻き込まれるように、その彼女の住むゲストハウスの近くまで来ていて、今、水牛と湖に包まれながら、この原稿を描いている。満月のせいか、ボクも朝から「絶不調」で、自分のバランスがとれる「居場所」を求めて、愛妻はるかや太一と距離をとりながらの逃避執筆。とてもシラフではいられないので「TUBORG」というネパール産のデンマークビヤーを飲みながらの酩酊執筆。これを描き終わったら、その「発狂」した女ともだちの処へいかなきゃ!!! 彼女のパートナーはこの10日間夜も眠れぬ日々で、ボクにとっては日本の大震災以上に、身近切実、心痛む日々なのだ。そんなボクの目の前を、ゆうゆうと歩むポカラの水牛たち。

 「発狂」も「絶不調」も、晴れては曇り地震も起きる「地球の営み」と同じイノチの自然現象だとすると、結局、そういう善悪美醜上下左右を超えたドラマティックでハプニングなイノチの自然現象に巻き込まれながらも、なんとか「元気」になろう! 「元気」にさせよう!!  というヒトの営みこそが、遠く圏外にいて無関係だったヒトのイノチのスイッチをON!!!し、人をインスパイヤー、鼓舞し鼓舞されてゆくのだろう。だとすると、うろうろおろおろとしながらも還暦まで生き延び続けたボクにできることは、この先も、家族ともども、これまでどおり、「自分の道」を生き延びまっとうしてゆくコト、そして、「一瞬先は、ひ、か、り」を信じられぬほどたましいの枯渇している人さえも「元気」に生き延びさせる、イノチの「ことば、ねいろ、ふんいき」を産み放ち続けてゆくこと。こういう自分の営みこそが、この未だにうろたえる60歳のボク本人をも救えるのではないか??
 などと描いているうちに、原稿を描き終えてしまった。今回のタイトル『たましいみたされみたし作戦』は、女ともだち(すんじゃ)の御ことば。もひとつおまけに『自分の顔がむいている方が、前向き』も、女神(すんじゃ)語録。アリガト、女神たち。ヒマラヤ展望処NO.1&バスタブ付「ルンビニ リゾート」(一泊650ルピー、約770円)に20泊目。


 とろんより。

プロフィール

とろん
1969年高校卒業直後、フランス郵船に乗ってインドに上陸し地球放浪をはじめる。帰国後、専門学校、大学、夫などを中退しながらも、旅と文筆とライブ活動を続行。50歳(2001年)からタイ北部の山間の町「PAI」にベースを移し、村創りをはじめる。現在、2012年12月から108日間の祭り(たましいのかくじっけん)第2弾を想定しながら、桃源郷「NEW MOON VILLAGE」を創作中。著書に『純粋単細胞的思考』『まるだしのエクスタシー』『とろんのダイジョーぶ経典(スートラ)』(共に、晩聲社)がある。
・とろんのホームページ

前へ | 新着順一覧 | 次へ

この記事を知らせる

ブックマークする