『経済障がい者』あるいは『おとなのようちえん』宣言

『経済障がい者』あるいは『おとなのようちえん』宣言

vol.10

2011.01

『経済障がい者』あるいは『おとなのようちえん』宣言

とろんの「右巻きアートエッセイ」 プロフィール

NEW MOON VILLAGE 風景2(4歳の太一が産まれたロフトの在る我が家、木と竹と葉っぱの家)

 2011年1月26日に60歳に達するボクだけど、「還暦」といわれるだけあって、目に見えて老いゆくボクの体と、いまだに4歳の太一と変わらぬボクのイノチの湧沸感とのズレを感じるこのごろだ。自分の内奥から湧き出るイノチの想いの勢いに体がついてゆけない。恐らくこの「ズレ」は前回に描いた「カタツムリの速さで動く」ことで解消できるのかもしれない。この年に達するまで、30代の初期にも一度こういう「ズレ」を感じたことがあって、この時の「ズレ」は 、インドで2カ月間血便がつづき10キロ痩せたこと、インドから帰国直後の突如の離婚、そして、離婚直後の大型トラックへの瀕死の激突事故、と連続した心と体への「トリプルショック」で一気に乱雲からハレの世界へと翔び抜け、おまけに『純粋単細胞的思考』という作品まで誕生したものだ。
 2010年11月22日の満月にフライトしてバンコク入りした。今のボクの頭の中は、自分でもあきれるほど、2012年12月1日から108日間続行する『たましいのかくじっけん』第二弾への想いでいっぱいだ。第一弾では2007年7月7日七夕から7週間(49日間)やったのだけど、あれから3年以上の年月が流れ行く中で、自分をふくめてさまざまな状況が流転変化し、この流転風景と3年前の祭りのタイトルの間に「ズレ」を感じるいま。いまなら『おとなのようちえん』というタイトルにしたいな、と想う。あと2年後の「本番」までにこの「ズレ」を「カタツムリの如く」解消できたらいいなあ。

 まるでリハーサルのようにボクらは12月1日にPAI入りした。電気も水道もない我が家での日常生活は、暗くなったら床に入り7時か8時には眠り、明るくなりはじめる5時か6時には起きて、まず、家に隣接した屋外の台所のなかの円形の火処に火をつけ、コーヒーをいれる。まだそれほど寒くはないけど、一日のはじまりに火を起こすことは、朝、太陽が昇る前の大切なセレモニーみたいなものだ。暖も取れるし湯も沸かせるし場が明るくなるし、第一、4歳の太一が朝一番の火を見ただけで本気で興奮し、大人のボクらをその興奮に巻き込み、一日のはじまりを鼓舞してくれるのだから。そして太陽が出てきたら、我が家の前の真透明な水路で皿を洗い、青色のプラスティック製のタライで洗濯がはじまる。
 来年になったらボクの還暦祝いに家族4人でインド巡礼の旅をするのだけど、たまに、ゾクッとするほどの先を見越した「現実感」あるいは「不安感」に襲われることがある。この突如の「不安感」は34歳のときの「もう賃労働はしない!!!」宣言以降、この25年間、突如とおそってくるものだ。この種の「お金が尽きてしまう」不安というものは、「いつか死んでしまう」不安と同じで、刻々と確実に死に向かっている今なのに、病気や死を気にしないで今を舞えるならば、刻々とゼロに向かっている通帳記入のなか、その「ゼロ」を気にしないで今を全開できる技もあるはずだ。このごろやっと気づいてきたのだけど、「今ここ」を子どものようにイノチを循環全開して舞えるなら、確実にやってくる「死」へのポイントが「気にならない」どころかむしろ「楽しめる」のだ。それと同じで、お金のなくなることなど一切気にもしないで「今ここ」の有り金全部を今必要なものに循環全開していったほうが、通帳が「ゼロ」になるどころかむしろ「増えてゆく」という「愛とお金は天下の回り物経済法則」が露現してくるのだ。
 何臆することなく今を舞い踊り、何臆することなく「今」必要なコトにどんどんとお金をながしていこう!!! はたして、今回も、ハレの世界の中で新たなる『作品』が産まれ出るのだろうか??? なにはともあれ、4歳の太一、おなかのなかの赤ちゃんの為だけにでも、この「4人家族インド巡礼の旅」を作品化して彼らに遺さなきゃね。


       「おとなのようちえん」園長、とろんより。

プロフィール

とろん
1969年高校卒業直後、フランス郵船に乗ってインドに上陸し地球放浪をはじめる。帰国後、専門学校、大学、夫などを中退しながらも、旅と文筆とライブ活動を続行。50歳(2001年)からタイ北部の山間の町「PAI」にベースを移し、村創りをはじめる。現在、2012年12月から108日間の祭り(たましいのかくじっけん)第2弾を想定しながら、桃源郷「NEW MOON VILLAGE」を創作中。著書に『純粋単細胞的思考』『まるだしのエクスタシー』『とろんのダイジョーぶ経典(スートラ)』(共に、晩聲社)がある。
・とろんのホームページ

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