2001年の春、発情物語(後篇)

2001年の春、発情物語(後篇)

vol.5

2010.08

2001年の春、発情物語(後篇)

とろんの「右巻きアートエッセイ」 プロフィール

右足首のギブスを外してもらった瞬間の50代の笑顔(骨折後1カ月半!! 聖地ベナレスにて)

 「とろん」と名付けてくれたパートナーに捨てられた後、「インド放浪」という名の発情行為を阿呆のように繰り返し展開してゆく途上、タイの首都バンコックで突如と華麗なる詐欺集団と遭遇し、あ!!っと全財産140万円を持っていかれてしまった。「捨てる神あれば拾う神あり」とはまさに真言で、捨てられて悶々とした年月を過ごした4年後の夏、この集団詐欺事件のおかげでボクの流れが急好展開し、東京原宿の路上で、一人の女に拾われ2度目の結婚をしてしまうのだ。この「華麗なる集団詐欺事件」については『とろんのダイジョーぶ経典(スートラ)』(晩聲社刊)に実に詳細に描写してあるので、読んで笑ってもらえれば、この異常な夏の暑さも吹っ飛んでしまうのは必至。
 一度目の結婚生活は10年続行し、ボクを捨てた彼女は離婚して10年後、乳癌で逝ってしまい、そして2度目の結婚生活も10年目の極みの中、またもやボクは捨てられてしまうのだ。50歳を目の前にして、あ!!っと独りぽっちになってしまったボクは、18歳の日本脱出のときとまったく同じ質量の高まりの中、再び全てを捨ててインドに渡り、ボクの第3章がはじまった。そして2001年元旦の初日の出、21世紀の夜明け、をベナレスのガンジス河から拝み、その快楽余韻の残る中、1月26日、50歳の誕生日を盛大に祝った直後、新月の早朝の暗闇の中、聖なるベナレスの階段で呆気なく転倒脱落し、右足首をゴキ!!っと骨折してしまったのだ(写真)。
 50歳を記念してベナレスに移住しようと決めた途端に「ここはオマエの住む処じゃない!!」と、聖なる階段での転落骨折というマンガチックな展開で、他国へ新天地を求めて独り旅立つハメになり、その「強いなりゆき」で、タイの北部、標高600メーターの山岳地帯の桃源郷PAIに流れ着いた。

 インドを出る前、ベナレスの路上でボクを呼びとめた初老の占い師がボクの瞳を凝視しながら「オマエは、自分の楽園を見つけ、そこに自分でデザインした家が完成したとき、『真なるパートナー』が現れ出てくるだろう!!」と断言してくれたことがあった。しくまれたような「強いなりゆき」で新天地PAIに住みはじめたボクは、自分ではまったく意志意欲してないのに、あれよあれよと、まるで、あのバンコックで遭遇した集団詐欺事件と同じリズムとテンポで、「自分でデザインした自分の家」作りの方向へ、どんどん♪と音をたてて運ばれてゆくのだ。そして、ボクがPAIに流れ着いて3年半年後、「自分でデザインした自分の家」を渋々ながらも建てるハメになってしまい、その予言の通り、家が完成した直後、そのタイミングをまっていたかのように、女神のような27歳の女がボクの前に登場し、出会って一週間後、ライブ直前、ボクは丘の上のお寺でPAIの町を俯瞰しながらプロポーズし、ライブ終了直後、その女神がステージの上に走り寄ってきて快諾されてしまうのだ。
 このドラマティックシーンに至るまでの物語は、いつの日か単行本にして、ぜひとも、映画化したいものだ。「想い」をあ!!っと「形」にしてゆく、奇跡を起こす時空を超えた「うちゅうりょく」、に両の手を!!!
 新天地PAIも、そこではじめた村づくり「ムーンビッレジ」も、その村に建てた自分の家も、結局は「真なるパートナー」と出会うための「ワナ」? あるいは宇宙の果てから自分がこの世に産まれ出てくるために「太一」がボクら二人を突き動かして、あんなタイ北部の果ての町でボクらを遭遇させたもの?? すべてが大いなる何者かが仕組んだ「ワナ」、あるいは絶大なる「未来力」の仕業だとすると、あっけなく「ワナ」にはまってしまったボクら家族3人は、この先、トックーン、トックーン♪と、どこへ向かって運ばれゆくんだろうか???

   ひとごとのように自分の人生を想起観照分析三昧している、シアワセなとろんより。

プロフィール

とろん
1969年高校卒業直後、フランス郵船に乗ってインドに上陸し地球放浪をはじめる。帰国後、専門学校、大学、夫などを中退しながらも、旅と文筆とライブ活動を続行。50歳(2001年)からタイ北部の山間の町「PAI」にベースを移し、村創りをはじめる。現在、2012年12月から108日間の祭り(たましいのかくじっけん)第2弾を想定しながら、桃源郷「NEW MOON VILLAGE」を創作中。著書に『純粋単細胞的思考』『まるだしのエクスタシー』『とろんのダイジョーぶ経典(スートラ)』(共に、晩聲社)がある。
・とろんのホームページ

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