mondaysick

北海道が生んだ進化系ロックバンドが創り上げた“センチメンタルムービーシアター”

ギターの飯濱荘士さんとヴォーカルの鎌田勇佑さん

ギターの飯濱荘士さんとヴォーカルの鎌田勇佑さん

 ポータルサイト『北海道人』をご覧の皆さん、こんにちは。札幌発の音楽情報WEBマガジン【SAPPORO MUSIC NAKED】編集長の橋場です。『北海道人』では、月に一度、【SAPPORO MUSIC NAKED 〜hokkaido-jin edition〜】として素敵なミュージシャンの魅力をお伝えしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 皆さんが小さいころ、親に連れて行ってもらった場所の中で、一番大切で美しい風景を今も残しているところはどこでしょうか? 時代が移り変わり、そういう場所や風景がもう現存していないという方も多いかもしれません。
 しかしながら、どうしてもその場所にもう一度行きたい、その風景をもう一度見たい、と思った時に、インターネットは“二次元の画像”は再現してくれますが、その温もりまでは再現してくれません。ならば自分で作ってしまえばいいじゃないか……そんな発想から生まれたのがmondaysickの2枚目のミニアルバム「九月七日座」です。
 mondaysickは飯濱荘士さんを中心とした札幌在住の5人組ロックバンドで、その緻密な音作りと圧倒的なライブパフォーマンスで全国的にも注目を浴びているアーティストです。
 作詞・作曲のほとんどを手掛けている飯濱さんは旭川出身なのですが、「九月七日座」というアルバムを制作するにあたり、こんな風に語っています。
 「僕が子どもの時に、今は少なくなってしまった映画の単館劇場がたくさんあったんですよ。そういう映画館が凄く好きだったんですが、僕の中の美しかったエンターテインメントがなくなっていってしまって。今回ミニアルバムをリリースするにあたって、架空の映画館を作ってしまおうと。1500円払ってもらえれば6話上映しますよ、みたいな感じなんです。それでタイトルも映画館……『○○座』という形にしたくて、『九月七日座』にしました」(飯濱)
 このコンセプトを具現化していく時に重要になったのがストーリーを紡ぐヴォーカルの鎌田勇佑さんの存在でした。
 「飯濱さんの世界に僕が足を踏み入れて、そのまま歌うだけじゃダメだと思うんですよ。世界を壊さずに自分の色を出して歌えたらなと毎回思っています。一人で歌詞を眺めながら散歩して、外の空気を感じながらイメージを膨らませたりしています。ベンチに座っている時にも『あの歌詞ってこういう情景なのかな』と思いついたりするんですよね」(鎌田)
 実は鎌田さんはmondaysickには“三顧の礼”で迎え入れられたヴォーカリストです。mondaysickの世界観を自分の歌ではぶち壊してしまうのではないか……その不安が二度、加入依頼を断らせた要因でした。しかしながら、熱心に誘ってくれる人がいる、そしてその人は音楽的にも人間的にも尊敬できる先輩だ、誘ってくれたのは凄く嬉しかったけど不安だと思っているのは自分の気持ち次第……そして鎌田さんは加入を決意、mondaysickの世界に飛び込み、今や鎌田さんの歌声がなければその世界観が成立しないほどの存在感を誇っています。
 mondaysickのライブを拝見するようになったのはここ1年ほどですが、これほど見るたびにいい意味での変化を見せてくれるバンドはそうそういません。「九月七日座」という“センチメンタルムービーシアター”は、多くの方の琴線を揺さぶるに違いない……そんな確信が持てるのは、彼らが音楽に真摯に向かい合い、結果を残しているからです。

【ライブ情報】

・「『九月七日座〜クガツナノカザ〜』RELEASE TOUR2011〜2012 FINAL」
 2012.2.25(土) 札幌・cube garden(開場18:00・開演18:30)

 ■オフィシャルHP:http://www.mondaysick.com/


プロフィール

橋場 了吾(はしば りょうご)
1975年札幌市生まれ。1998年同志社大学卒業後、札幌テレビ放送入社。ラジオディレクターとして「日高晤郎ショー」「ライブスピカ」等を担当。2005年同社を退社。以後広告制作プロダクションなどを経て、2008年株式会社アールアンドアールを設立し、札幌発の音楽情報WEBマガジン「SAPPORO MUSIC NAKED」を立ち上げる。「音楽で北海道を元気にする」を信条に、札幌にやって来たミュージシャンの取材をつづけている。

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